• 2006.03.21
    「3月23日全面24時間時限ストライキ」通告について
    2006年3月21日


    「3月23日全面24時間時限ストライキ」通告について


     今回予定しているストライキの規模、形態は以下の通りです。

     「2006年3月23日 00時から24時までの24時間全面時限ストライキ」

     全日空乗員組合員1533名機長、副操縦士、航空機関士等で組織されており、日本国内にいる組合員全員が基本的にストライキの対象となります。

     影響は、会社対応によりますので、正確に数値を示す事はできませんが、会社広報発表によると、国内線ではANA便の約6割(全863便中、527便)の便が欠航、国際線は全便平常通りの運航となっております。

     この春闘の要求項目は以下の通りです。

    A,賃金に関する要求

    B,勤務に関する要求

    C,満60歳以上の就労に関する要求

    D,キャリアパス(機長昇格)に関する要求

    E,ジョブセキュリティに関する要求

    F,05年度期末手当に関する要求
    <

    今回のストライキ通告に至る会社との争点

     今回の争議の争点は以下の通りです。
    賃金に関しては、2年前、会社の協力依頼に応え、本給部分5%・手当部分2.5%の減額を受け入れました。その効果もあり、会社創立以来1、2を争う空前の好業績が2年連続で続いています。そう言った背景の中、『労働条件の回復改善』を果たす目的の要求です。現在の状況にあって要求のベースアップ1%にはまったく答えないことが大きな争点となっています。
    勤務に関して、現在私たちの職場では、新しい飛行準備システム(POBS)導入により必要な準備時間が従来と比べ増加しています。その対策(時間的余裕)が考慮されていない為、無理に出発時間に合わせた労働環境になっています。その結果、安全性にも影響が出る危惧があります。その他、移動勤務における必要な時間の要求も行っています。一部回答は示されていますが、不足な状況が残されています。
    並行して今年4月に改正施行される「高齢者雇用安定法」を睨んだ雇用制度の整備や乗員組合員の職場確保の要求も行っています。それが「満60歳以上の乗員の就労に関する要求」であり、これまでの会社提案では再雇用時の資格が「副操縦士」のみであったところ「機長」としても認めるという制度提案がありましたが、賃金水準が不十分であり経験ある乗員の処遇として大きな不満を残しています。
    一昨年、会社が一方的に年3回支給の『一時金の新たな考え方』を示してきました。それは我々の受け入れられる域のものではないのですが、その会社考えの下、2005年度の夏・冬は支払われました。我々は現在年2回の一時金交渉をしていますが、それだけでは年収の大幅減になるため、05年度期末手当要求は、年収の補填的意味合いの要求です。また、会社の一時金の算出に使用している基礎額は、我々乗務職の者のみ月給(月例固定賃金)の一部だけ使っており、全社的には月給そのものを基礎額として使っていることと比して、不公平な取り扱いとなっています。また、現社長が一昨年事実上改善する事を約束した経緯があります。

     なお全日空乗員組合は、このストライキが回避できるようぎりぎりまで交渉し努力する所存です。


     私たちは、全員がフライトをしながらの活動を基本としており、問い合わせに臨機応変に対応できない場合がありますが、問い合わせ先は以下の通りです。


     全日空乗員組合

     代表者 組合長 金澤 初生(カネザワ ハツオ)




    全日本空輸乗員組合 中央執行委員会

    All Nippon Airways Crew Association

  • 2005.11.14
    「11月16日全面24時間時限ストライキ」通告について



    「11月16日全面24時間時限ストライキ」通告について

     今回予定しているストライキの規模、形態は以下の通りです。2005年11月16日 午前00時から24時までの24時間全面時限ストライキ。組合員1533名機長、副操縦士、航空機関士等で組織されており、日本国内にいる組合員全員が基本的に対象となります

    影響は、会社対応によりますので、正確に数値を示す事はできませんが、今年春、同規模のストライキ通告では会社広報発表によると、国内線ではANA便の約4割の便が欠航、国際線は全便平常通り運航となっております。

     この年末闘争の要求項目は以下の通りです。

    A.安全に関する要求

    B.05年末一時金に関する要求

    C.勤務に関する要求

    D.労働環境に関する要求

    E.人権に関する要求

     今回の争議で一番大きな争点は、「労使関係正常化」であり会社の組合に対する交渉姿勢です。


    今回のストライキ通告に至る会社との争点

     年末要求として(安全、賃金、勤務、労働環境、人権)並びに「60歳以上の就労」及び「NCA(日本貨物航空)に関わる」要求を掲げ会社と交渉を行ってきています。

     そもそも今回大きな争点の一つとなっている「一時金算出の基礎」に関する問題は昨年の現山元社長発言に端を発しています。

     昨年春に全日空乗員組合がANA本体乗員の職場領域確保の観点から、将来のパイロットの採用、養成と合わせて乗員の賃金を減額する合意をしました。その際の交渉過程で、現社長出席のもと、乗員の賃金が切り下がることと引き替えに、会社として組合が長年求めてきた我々乗員の「一時金算出の基礎」を明確に定め、一時金に反映することを約束しました。この約束は、当時のストライキ通告を前に確認されたもので、「この後に具体的に実現する」という意味でした。ここでほぼ労使の協議は尽くされているのです。

     しかし、それは実現されず、その後も交渉のたびに約束履行を促していますが、実現しないまま現在に至っています。

     この年末においても乗員組合は、年末一時金に関して「一時金算出の基礎」確立について求めています。具体的には一時金の額を求めているのではなく「月例固定賃金(月給)」を基礎とした支払形式とするよう求めています。求めているのは一般企業では当たり前となっている支払方法です。

     また昨今公共輸送機関の事故、インシデントについて社会的関心が高まっている中、航空運送事業もその例外ではありません。全日空でも残念ながら9月から10月の1ヶ月間に飛行中のエンジンが停止するという事例が4件も発生しています。

     私たち乗員組合は「安全優先の原則に立ち返り経済性並びにCS(顧客満足)を最優先した諸施策の全般的な見直しを図ること。今後、効率化を主眼とした施策実施および規定化については慎重を期し、現場の意見を充分に反映できる体制とすること。」という要求をしています。そのほか「航空機の安全運航に密接な勤務時間管理、通勤制度」、「航空事故再発防止の妨げとなる社内懲戒処分を行わない事」等年末要求として掲げています。並行して来年4月に施行される「高齢者雇用安定法」を睨んだ雇用制度の整備や乗員組合員の職場確保の要求も行っています。

     このような背景の中、今回11月2日に会社が示してきた回答および回答後の会社との団体交渉では、労使の約束を履行しないことも含め会社は、要求趣旨を正確に理解した、と言いつつも完全な無回答でした。13日には会社対応が示されましたが、要求に対する正面回答ではなく評価できるものではありませんでした。要求趣旨を正確に理解した上での無回答は、むしろ後退回答です。

     交渉の席上で会社は、一時金に関しては過去の発言・約束をすべて無視し、必要性を唱えながら基礎(計算式)が考えつかない事を理由にして『要求の一時金算出の基礎を完全拒否』、他の要求項目に対しても回答をしないどころか、無関係な論点にすり替えて誤魔化しています。このような会社の交渉姿勢は決して許されないことです。

     このような対応を見過ごせば、組合が職場の代表として会社と取り交わす約束が信頼できない事となります。その結果が今、労使の信頼関係の崩壊という形で顕在化してきました。今後の労使関係の正常化のためには、全日空乗員組合は約束履行について引くことが出来ないのです。

     なお全日空乗員組合は、いつでも交渉に応じられる体勢を取っており、このストライキが回避できるようぎりぎりまで努力する所存です。

     全日空乗員組合は、全員がフライトをしながらの活動を基本としており、問い合わせに臨機応変に対応できない場合がありますが、問い合わせ先は以下の通りです。

     全日空乗員組合 
     代表者 組合長 金澤 初生









    全日本空輸乗員組合 中央執行委員会

    All Nippon Airways Crew Association


  • 1998.11.20
    全日空への行政処分についての見解

    全日空への行政処分についての見解

    1998年11月20日



    全日空乗員組合中央執行委員会


    ■航空機使用者たる全日空への行政処分について

    全日空の経営者は、この数年「大競争時代」「生き残り」「儲かる整備」だとして、整備人員を極限にまで減らし続けてきました。具体的には「飛行間点検の整備士1名化」「機材稼働を10%上げる」「整備控除機を減らす(整備のために飛べない期間を短くする)」「予備機の原則廃止」「ステイタイム短縮(地上での航空機滞留時間短縮)」「(整備を含めた)全ての職場の少数化」等です。同時に、現場の乗員や整備士に「競争意識」を植え付け、「オンタイムキャンペーン(何が何でも定時出発)」に駆り立ててきたのです。

     さらに、経営再建推進計画では運航乗務員の訓練までコスト削減策として盛り込むという、安全で選ばれる航空会社を目指すことに反する内容まで含まれています。経営方針の結果、「予備部品がない」「時間がない」「整備する人がいない」状況となっているのです。
    地上の労働組合は別にして乗員組合は長年にわたって、こうした誤った「費用削減」や「現場への競争意識の植え付け」には問題があることを指摘し続けてきました。しかし経営者はこうした声を真摯に受け止めず計画を強行してきたのです。
    結果として、現在問題にされるような事例が発生し、行政処分として決定が出されました。乗員組合は法律に違反した航空機が運航の現場に提供され運航が行われたことは当然、あってはならないことであり、遺憾な事と考えます。同時にこうした違反に対して法律に基づく行政処分について、航空機使用者たる経営者は真摯に受け止めるべきと考えます。
    経営者は、こうした処分を、大事故に至る前の警鐘ととらえ、これまでの不適切な経営方針を改め、抜本的な改善策を実行に移すべきと考えます。
    一方、処分する行政側についても問題があったと考えます。運航の安全に影響を及ぼす経費削減が「競争促進」のもとに進められ、これを運輸省が追認し、あおってきた事実があるからです。

     運輸省は事あるごとに「安全の規制は緩和していない」と言っておりますが、「乗員の訓練時間や実機訓練の削減」「歴史的に2名以上の体制であった飛行間点検整備の1名化」「2名編成機の飛行時間制限の緩和(12時間まで交代要員不必要)」というように、様々な形で事実上の安全規制緩和は進行してきたのです。

     運輸省は、安全基準は変えておらず、更に各社の自主規制で足りるとの態度を取ってきましたが、経営者は、規制緩和をコスト削減の機会ととらえ、それを進めてきました。その末路が今回の事例であると考えます。

     運輸省は企業の自主規制への期待は過度に持つべきではなく、真に利用者の安全を守れる行政に徹するべきです。

     そうした観点からは、全日空に限らず日本の航空会社全てにわたって自主規制が健全に働いているかの検証を行うべきと考えます。

     同時に、これまで進めてきた「競争促進」「事実上の安全規制緩和」の航空政策を運輸省自体が見直す時期に来ていると考えます。

     大事故が起きる前に、行政が、その果たすべき役割を見直し、日本の航空業界が健全な方向へと向かうよう指導、監督すべきと考えます。

    ■航空従事者たる機長への行政処分について











    乗員組合も、「競争促進」「生き残り」を全面に出した経営方針の影響を現場が少なからず受け、油断が入り込む隙があったことには少なからず反省の念を持っています。

     今回問題にされた一連の事例の中でも、より細かい点検と厳しい判断をすべきではなかったのかという気持ちも持っています。しかし、第一義的には、法的には満足しない「規程違反の機体」を会社が現場に提供したことが問題であり「他社との競争のためには何をおいても定時性。多少のことがあっても就航させる」という異常な社内の雰囲気の中で、その後の苦渋の選択(機長判断)のみを責める立場には立ちえません。
    処分の適用法令と理由についてはこれから検証しますが、定期航空会社では整備、運航計画、搭載管理、客室管理などのほとんどは、それぞれの担当者(組織)の作業に委ねることを認め、それらを定めた規程類は運輸省が報告を求め、事実上の監督を行っている。

     例えば、定期航空運送事業者には運航規定と整備規定を設けて、これを運輸大臣の認可対象(すなわち航空法による委任規定)とし、航空従事者および運送事業者がこれら規定に従うことによって、航空法の要請を満足することを期待しています。

     この中で、「違法な(誤った)報告」(具体的には「規程に合わない航空機の提供」)に関してまで、機長責任があるのかについては法律問題として厳密に検討されるべきと考えます。これは機長への道義的責任とは峻別されるべきと考えます。

    ■全日空乗員組合の紹介

    代表者:組合長 石飛 明夫

    組合員数:1568名(1998年11月1日現在)

    組織:本部は東京都羽田空港内。支部として大阪があります。

       全日空、NCA(日本貨物航空)に働く機長、副操縦士、航空機関士等で組織されています。

    以上


    全日空に対する行政処分について

    抜粋

    運輸省航空局

    平成10年11月20日

    1.立入検査の結果別紙の通り違反事例が認められたので、本日全日空にたいし以下の内容の業務改善命令を出した。

      1-1 法令、規定等の厳守及び安全意識の再徹底

      1-2 整備体制の充実

        1)訓練の充実

        2)整備支援体制の強化

        3)規定等の改訂

        4)監査の充実

    2.航空従事者に対する行政処分

     関係する機長、整備士に対し航空業務の停止10日間を予定。現在聴聞の手続き中。



    別紙(抜粋)

    1.検査の概要

     当局の指示により全日空が実施した総点検の対象範囲(約24万便)のうち、約4000便の航空日誌をサンプリングにて抽出し、運用許容基準の適用の適切性について検査した。

    2.検査の結果

     2-1.運用許容基準の適用違反

        1.運航に当たり必須の装備品を不作動のまま就航させたもの

          (1)8月11日1055便

             機長側昇降計不作動のままで就航させた

          (2)10月15日111便

             後部航空灯不点灯のままで、夜間にかかる飛行に就航させた

        2.運用許容基準適用に関して必要な整備処置が適切に行われていないもの

          (1)逆推力装置バルブ表示灯の不具合に関するもの(3件)

          (2)防除氷系統バルブの不具合に関するもの

          (3)発電器冷却バルブの不具合に関するもの

          (4)衝突防止灯の不具合に関するもの

          (5)テイル・スキッド表示の不具合に関するもの

          (6)逆推力装置インタ-ロック機構の不具合に関するもの

          (7)運用許容基準適用に際して必要な整備処置は適切に行われているが社内承認手続きが不備だったもの

     2-2.整備記録の不備

          (1)不具合内容等の記載不備(7件)

          (2)適用する運用許容基準の誤記、未記入等(27件)

     2-3.乗員への情報提供が不適切

          8月16日10便(成田-ニュ-ヨ-ク)

    エンジン始動後にバッテリ-電源が放電している旨の表示がなされたが、当該表示に関する取り扱いが運用許容基準に未設定だったため適切な情報が離陸までに乗員に提供できなかった





    全日本空輸乗員組合 中央執行委員会

    All Nippon Airways Crew Association




  • 1998.11.15
    Press release memo 15/nov/98

    全日空における安全問題について

    Press release memo 15/nov/98




     全日空乗員組合は、安全に関する会社への申し入れとして、文書をもって次の項目に対応を示すように申し入れましたので、お知らせします。



    全日空乗組発A第44-06号

    1998年11月15日

    全日本空輸株式会社

    取締役社長 野村 吉三郎 殿

    全日本空輸乗員組合

    組合長 石飛 明夫

    交渉経緯を踏まえた安全問題等に関する全日空乗員組合からの申し入れ(98/11/15)




     全日空乗員組合は、平和裡に労使交渉を進めるため以下の通り申し入れますので、11月18日の団体交渉席上、文書をもって誠意ある対応を示されるよう求めます。

     なお、乗員組合は会社回答と労使交渉の推移を見極め、以後の方針を検討します。

    1.安全問題

    (1)航空機の安全性確保と定時性確保を両立させるための具体策を、乗員、整備、営業サイド別に示すこと。
    (2)MELを適用できない機体さえもリリースすることのある整備体制を抜本的に改める具体策を示すこと。
    (3)整備作業に圧力となるような営業サイドの言動は厳につつしむよう具体策を講じること。
    (4)定時性は現場の常識であり、オンタイムをノルマ、成績とするようなキャンペーンはやめること。
    (5)GTB/ATBを含め安全に関する情報は全て開示し、月に1回、乗員組合に説明する場を設けること。
    (6)FCC/STCはMEL関連情報を事前に把握し、ブリーフィングの際、書面をもって機長に提示すること。

    2.勤務問題

    (1)グローバルスタンダードの観点にたった労使合意に至るまで、少なくともサンフランシスコから成田はマルチプル編成とすること。

    3.NCA問題

    (1)NCAへの乗員の派遣について、全日空、NCA、全日空乗員組合の3者で協議する場を設けること。


    以上



    【主旨説明】

    1.安全問題

    (1)安全の確保は言うまでもなく航空会社の使命です。そのもとで定時性があります。今まで会社が経営方針として安全と定時性を同列に見た企業運営を実践してきた為、今回運輸省の臨時立入検査を受ける様な事態に至っていると考えられます。今後は、言葉だけでなく安全を優先する観点での企業運営の実践が求められており、経営の基本方針全般に渡り、具体的な改善策の策定が必要です。
    (2)現行規定類では、機長には整備規定に合致した機体が提供され、機長は飛行機運用規定に従い運航する制度となっています。しかし昨今は、整備規定の基準に合致しない機体での運航を、機長が要請される事例が発生しております。会社は、「整備は航空法に合致しない、整備規定に違反した飛行機でも機長に飛べと言うことが今の全日空では残念ながらある。」「機長には判断のつけられない不具合を抱え、整備のアドバイスに従ってフライトした場合であっても、結果規定違反であれば機長は結果責任を持つ」と言ってはばかりません。会社自らこのように言い切る全日空の整備体制には組織制度、組織の運営方法、組織の機能、組織の風土、に問題があるとしか考えられません。これらを改め再発防止の為の土壌づくりをすることを改革の第一歩として求めます。乗員がこのような社内運航環境に置かれている限り、機長は航空法に抵触する運航を強いられる可能性があり、改善が必要です。
    (3)今、旅客担当者(搭乗口案内担当者)は旅客搭乗前の整作業備実施中に、旅客搭乗時間を整備士、乗員との打ち合わせなく一存で決めたり、旅客に根拠のない搭乗開始予定時間をアナウンスするなど、旅客担当者は、機体の整備情況に関心を払うことなく、旅客の処理をしている実態が報告されています。旅客担当者の役割として多少出発が遅れても無用な混乱を旅客に与えることなく、正確に作業の情況を伝える事が大変重要です。出発遅延で「旅客が混乱している」、「収拾がつかない」などと言ったような旅客担当者の未熟が引き起こしている事態によって、整備作業を急がせる事がないよう、営業サイドの問題としての改善要求です。
    (4)航空会社として定時運航維持は常識であり、現場の自発的な判断努力に委ねるべきものです。オンタイムキャンペーンの名のもとに運航管理や整備の職場では、定時運航の達成レベルが個人や職場単位のノルマや成績評価に使われています。それが壁に張り出されるなどで競争を煽られ、現場の成績評価にすら反映されていると言われています。「成績をあげたい」、「遅れで上司から叱責を受けたくない」という各個人の思いが、多少のことなら飛ばしてしまうという風潮となり、社内に蔓延し始めているのではないかと危惧をしています。

     言うまでもなく定時運航は重要ですが、追加的な整備をすると、遅れや欠航が出るという様な過密運航スケジュールもとでのオンタイムキャンペーンは、安全に対するネガティブキャンペーンであり、見直しが必要です。
    (5)全日空では、機材故障等による空中引き返し、地上引き返し、が多発しています。また、機内での粗暴旅客の発生など、放置しておくことの出来ない事例がつづいています。異常運航や、特異な不具合については、その再発防止のために、直ちに事実を周知し原因を分析を全乗員の関心のもとで行うべきと考えます。今の全日空には、運航の経験に学び教訓とするという姿勢が欠けています。その例として、異常運航にかかる機長の報告書、重大な整備上の不具合等に関する全ての書類を乗員に開示していません。この様な事例の技術的情報の共有は、労使の分け隔てなく行うべきと考えます。乗員組合に定期的にローデータを開示し説明をする義務が会社にあります。
    (6)運航管理部門は規程により、MEL適用の協議に参加しなければならないとなっていますが、それがなされていない事例が散見されます。会社は機長に規程を厳格に適用する一方で、運航管理部門では規程通りの業務がなされていないことを放置しています。機長の職責を厳格に果たせる環境をつくるため、運航管理部門にも、規程に則った業務を誠実に行う様、会社に申し入れています。

    2.勤務問題

    (1)乗務時間8時間以上の飛行については交代要員の乗務を求めています。今全日空の乗員は飛行時間11時間まで交代要員なしで飛行しています。冬場はサンフランシスコ→成田間は飛行時間11時間を超えますが、会社は、10時間50分で飛ぶと言っています。全日空はユナイテッド航空(UA)とのコードシェアリングを始めましたがUA(米国エアラインは全て)は同一路線において、交代要員を乗務させています。この問題は、乗員の疲労と安全性の関係について日米間の認識の違いが表れています。現場ではサンフランシスコ線を交代要員なしで飛ぶことに安全と健康の両面で、大きな不安があるとの声が多く出されています。

    3.NCA問題

     NCA(日本貨物航空)への全日空からの乗員派遣問題は、労使の大きなテーマとなっており、派遣の形態、勤務の水準、賃金について全日空、NCA、全日空乗員組合の3者による協議を申し入れています。





    全日本空輸乗員組合 中央執行委員会

    All Nippon Airways Crew Association

  • 1998.11.08
    PRESS RELEASE MEMO 98/11/09


    プレスリリースメモ

    全日空乗員組合

    PRESS RELEASE MEMO 98/11/09


    ■全日空における安全問題について

     全日空乗員組合は、最近の「整備品質」の問題について見解を明らかにします。

    ◇見解◇

     一連の「整備品質」を巡る不適切な事例の発生について、全日空乗員組合は次のように考えます

    1.今回報道された4件の事例については、航空会社の信頼を損ねる問題でありこうしたことが発生したことは極めて遺憾なことと考えます。
    2.全日空経営者は、この数年「大競争時代だ」「生き残りだ」といって、整備人員を極限にまで減らし「飛行間点検の整備士1名化」「機材稼働を10%上げる」「整備のために動かなくなる機数を減らす(整備控除機数の見直し)」「予備機の原則廃止」「ステイタイム(地上での航空機滞留時間)の短縮」「(整備を含めた)全ての職場の少数精鋭化」という施策を強行に進めてきたのです。

     乗員組合は、それぞれの事例の背景には共通してこうした経営方針によって作り出された「部品がない」「時間がない」「人がいない(整備士の数が少ない)」という問題があると考えています。

    3.乗員組合はこうしたことを危惧し長年「安全に関わる要求」を経営者に提出し経営方針を改めるよう求めてきましたが、経営者は方針を変えませんでした。

    4.このような状況で、現場乗員からは「整備が信頼できない」「このような運航をしていたら危ない」という声が多く出されるにいたり、今回年末闘争では、「少なくとも航空法を守った整備を確実に行うこと」というような要求を出さざるを得ない状況になっていたのです。こうした現場からの警鐘を事実上無視し続けてきた経営者の責任は免れないと考えます。

    5.乗員組合は、経営者が航空会社を経営しているという自覚をもった経営に改めることがこうした事例の再発防止に何より必要なことと考えています。

    6.同時に、このような運航の安全に影響を及ぼすような経費の削減が「競争促進」のもとに進められて、これを運輸省が追認してきたことを考えれば、他社についても同様な問題が発生する、あるいは発生している可能性が高いと考えます。こうした事態は直ちに改められるべきと考えます。

    7.こうしたことから乗員組合は、今後出される再発防止策が「不安全な運航環境」に手を着けない場当たり的なものであれば、必ず再発すると考えます。そうした点で我々は今後の対策を厳しく監視し、必要な追及を行う決意でいます。



    <参考=4件の事例について(概要)>

    上海の事例:今年6月、上海で全日空が整備受託をしているアンセット航空B767のブレーキ不具合に対し、飛んできた全日空のB767のブレーキの正常なパーツを外し不具合のあるパーツを全日空機につけかえ、MELを適用した。規定違反は無いが航空会社としてモラルを問われる問題。
    MEL:運用許容基準=最低装備数

    ホノルルの事例:今年8月、「VS INDICATOR」不作動でMELの適用除外でありながら整備サイド(組織)の不適切な解釈で就航。委託先のUALの整備士は「飛べない」と判断したが、全日空の整備がこれをオーバーライドし、就航可能とした。
    「VS INDICATOR」:昇降計

    フライト10便の事例:今年8月、B747-400が出発時エンジンスタート直後「>BAT APU DISCH」メッセージが現れたが、整備は「出発問題無し」と機長にアドバイスし出発要請をした。これは「NO
    GO(出発させてはならない)ITEM」であった。結果、太平洋上空でAPU BATTERYがDISCHERGEして、着陸時、全てのエンジンリバース不作動、AUTOスポイラー不作動、オートブレーキも使用できず、などの安全運航上重大な結果を招いた。上空での整備のアドバイスも不適切であった。

    シンガポール線の事例:今年10月関西空港~シンガポール~関西空港に就航したB747-200のTAIL NAVIGATION
    LIGHTが不作動のままであった。もともと、MELによって飛行の可否を検討する対象ともならない機体状況であったにもかかわらずこれを就航機材として整備がリリース(出発可能と)してしまったことが問題とされる。



    <参考資料「『経営危機』への提言」98/5/19提出>



    ■全日空乗員組合の紹介

    代表者:組合長 石飛 明夫

    組合員数:1568名(1998年11月1日現在)

    組織:本部は東京都羽田空港内。支部として大阪がある。全日空、NCA(日本貨物航空)に働く機長、副操縦士、航空機関士等で組織されています。

    ■連絡先:TEL03-5757-3870(代表) FAX:3875

    ■HOME PAGEはhttp://www.aca.jpです。

    以上


    全日本空輸乗員組合 中央執行委員会

    All Nippon Airways Crew Association

  • 1998.06.05
    プレスリリース6月5日

    1998年6月5日

    全日空乗員組合書記局



     6月4日の中執判断についての見解と今後の運動の進め方について要旨を、お知らせいたします。

    1.6月4日会社を受けての乗員組合の対応

     会社の強硬姿勢は変わらないが、回答を一定度評価。

    6月9日からの争議再開通告を延期する。

    当面の間、交渉を続け、6月16日の組合大会に、その後の方針を提示します。

    2.会社回答の総合的評価

    4つの争点の一つに答えた点は一定度評価できます。
    会社強行体系のシステム「3悪(人事考課、出来高制、切り下げ)」は変わりません。
    新たな体系へ向けた要求への回答がなく、全面的な評価にはほど遠い状況です。
    「制度定着、基本合意、マイナーチェンジ、部分修正」の範囲であり、解決に向けた道筋になっていません。

    3.乗員組合の見解

    本回答は4つの争点のうちの1点に正面から答えており評価できます。
    現在の賃金体系の矛盾、未来に向けての解決の道は見えていません。
    3悪の根本解決は見られていません。制度定着の為のマイナーチェンジの範囲の回答です。
    労働時間管理等の問題については経営の曖昧な態度が継続しています。
    「協定破棄、強行導入」「3悪」は継続、組合要求体系に対しては答えていない、という課題が残されており、争議を背景とした交渉を続ける必要があります。
    この局面で会社が回答を示した姿勢、とりわけ4つの争点の一つに答えた評価は方針に反映する必要があり、6月9日の争議再開を延期し、当面、交渉を続けるべきと判断しました。

    4.当面の方針

    6月9日からの争議再開「通告」を延期します。
    6月16日の組合大会に、その後の方針を提示します。
    当面、交渉での前進を目指します。

    5.メッセージ

    一部であっても会社が正面より答えれば、乗員組合は柔軟に対応することを示した判断です。
    本格的な問題解決はこれからであると考えています。
    6月9日日乗連主催による記者会見を行い、全日空乗組の抱える諸問題、航空の情勢等について懇談を持ちたいと考えておりますのでお知らせいたします。



    記者会見・懇談会

       日時:6月9日10時から12時

       会場:芝マイプラザ(旧日本女子会館)2階「エトワールの間」

       主催:日乗連(日本乗員組合連絡会議)全日空乗組 問合わせ先:日乗連03-5705-2770



     なお、昨日(1998年6月4日)送信のプレスリリースの1.のうち6月10日午後に発表は6月5日(本日)の誤記でしたので、お詫びして訂正いたします。

    以上



    全日本空輸乗員組合 中央執行委員会

    All Nippon Airways Crew Association

  • 1998.05.30
    5月30日プレスリリースメモ
    98年05月30日


    -400国際線ストライキ「再開」について

    本日、5月30日、全日空乗員組合は、以下の決定を会社に伝えましたので、ここに発表します。



    :決定事項:

    「中断中のB747-400型機の国際線ストライキの再開を決定した。」

    「再開は6月9日(国際線出発便)から別途通告するまでの間とする。」



    この決定に至った理由は次の通りです。

      4月20日の中断後、乗員組合は会社経営者に労使関係の正常化に向けて「再考」を促し、交渉を重ねてきましたが、経営者の「強行しながら理解を求める」との基本姿勢には変化がなく、歩み寄る姿勢がまったくありません。公共交通機関の使命を強調する会社経営者には紛争を解決する意志がないと思わざるを得ません。

     一方会社賃金体系の強行のもとで、次のような問題が多々出ておりこのまま「強行」を放置できません。

    全日空地上職の所定労働時間は1週37時間、年度1ヶ月平均で約151時間となります。運航乗務員は所定労働時間及び時間外労働の定めのない中、一ヶ月151時間以上の勤務をしている者が約190名もいます。
    全日空の事業計画遂行のため会社都合で訓練に投入されると、大幅に賃金が下がってしまう等の矛盾が会社体系にあり、組合員は日々不利益を被っています。
    乗員には所定労働時間の定めがない労基法違反。変形労働時間制の要件も満たさない労基法違反。労使合意が必要である労働時間延長が日常的に行われている労基法違反。
    会社が指定した勤務を行っても、勤務時間・飛行時間の差が組合員間の賃金格差を生むなど出来高制の矛盾など、組合員への不利益が続いています。

     このような状況で、乗員組合は会社経営者の組合無視、協定破棄、就業規則の一方的変更、労働条件きり下げ、労働基準法違反、経営失敗の労働条件への責任転嫁は放置できません。

     組合大会決議のストライキの規模は「最大国際線全便」となっているが、「ボーイング747-400国際線全便」規模での争議再開としました。

     組合が自主的に設けた冷却期間中に問題解決をはかることが出来れば、ワールドカップに影響を及ぼすこともなかったことを考えれば、会社の今の交渉姿勢を遺憾と思わざるを得ません。


    <根本問題>

    ・この争議の根本にある問題は、整理すると以下の3点です。

    1.「労働契約のあり方」

     会社経営者が、協定を破棄し、乗員組合とその組合員の合意もなく就業規則を一方的に変更し、強行導入したこと。

    2.「労働基準法違反」

     会社経営者が強行した内容が、労働基準法違反であること。

    3.「責任転嫁」

     関連事業の失敗や過大な事業計画の失敗を、運航乗務員の労働条件に責任転嫁していること。3名の経営陣退任では責任を取ったことにはならない。



    <その他>

     乗員組合は6月9日ギリギリまで話し合いによる争議の回避について努力するつもりでいます。



    ◆乗員組合に関する情報

    代表者:組合長 石飛 明夫

    組合員数:98年6月01日現在、1538名。機長、副操縦士、航空機関士等で組織する乗員組合です。地上職、客室乗務員は全日空労働組合(約8000名)に組織されています。

    ◆連絡先:全日空乗員組合

     担当:書記長、教宣部長、 副書記長となっております。会議、フライトなどで、常に対応することは困難な状況です。伝言を頂ければフォローをしたいと考えております。悪しからず、ご了承下さい。

    「根本問題」「世界の乗員の労働条件」等については日乗連で対応いたします。

    以上


    全日本空輸乗員組合 中央執行委員会

    All Nippon Airways Crew Association

  • 1998.04.20
    -400国際線ストライキ中断について
    98年04月20日


    ■-400国際線ストライキ「中断」について

     本日、4月20日14:00時、全日空乗員組合は団体交渉において、以下の決定を会社に伝えましたので、ここに発表します。

    :決定事項:

    「ゴールデンウイークを迎える中、B747-400型機の国際線ストライキの暫時中断を決定した。」「中断は4月20日24時から別途通告するまでの間とする」

     この決定に至った理由は次の通りです。

    会社経営者は、一方的に話し合いの道を閉ざすなど、現時点では会社側は冷静に物事を判断し、決断する能力を失っていること。
    この争議の根本にある問題は、「経営者が一方的に労働条件を変更(切り下げ)していること」にあります。

     整理すると以下の3点の問題です。

    1.「労働契約のあり方」

    会社が、協定を破棄し、交渉を打ち切り、強行導入したこと。
    2.「労働基準法違反」

    会社が強行した内容が、労働基準法違反であること。
    3.「責任転嫁」

    関連事業の失敗や過大な事業計画の失敗を、運航乗務員の賃金に責任転嫁すること。

     従って、会社が組合無視、協定破棄、就業規則の一方的変更、労働条件切り下げ、労働基準法違反が続く限り、労使紛争が続くことは避けられません。

    今回の労働条件変更の必要性について、3年余りの交渉を経ても組合員は全く納得していません。何故なら、経営者は全日空の危機に瀕した財務状況について情報公開を行っていないからです。私たちの調査によれば、経営を最も圧迫しているのは、本業以外の関連企業への投資や、ホテル事業、ゴルフ場等への投資、ANAファイナンスの失敗にあるといえます。
    バブル経済崩壊後も、歴代の全日空経営者は過大な事業拡大を続けました。現在の中期事業計画でも、その基本方針は変わりません。
    経営者は、こうした関連事業の失敗反省もせず、責任者が責任もとらないまま、本業で高い生産性をあげている従業員の人件費で穴埋めという責任転嫁をしようとしている。
    経営者はマスコミ各社に対し「1年間10億円の削減」と説明しているようです。20億円という報道もあります。しかしながら、私たちは「いくら下げたいのか、その理由は何か、それで本当に経営状況は改善するのか」を問い続けましたが、会社から一切、具体的内容は示されていません。
    このように交渉にもならない状態が続き、理解が得られない状況にあります。従って、労使紛争は続きます。

     以上の理由、状況から今回の決定となっていますので、今後の会社との交渉でこれら問題が解決されない限り、時期を見て争議は再開となることを付け加えておきます。

    以上



    全日本空輸乗員組合 中央執行委員会

    All Nippon Airways Crew Association

  • 1998.04.02
    <賃金勤務体系問題>

    <賃金勤務体系問題>

    1998年4月2日


     全日空乗員組合は1998年4月1日、「4月6日午前零時からのB747-400型機の国際線乗務のストライキ」の予告を行いました。

     以下に今回のストライキ通告に至る会社との争点と理由を説明します。

    1.2年前の協定破棄、会社案の賃金支払い強行という労使自治を否定する暴挙が継続したことです。会社は昨年2月にいったん会社提案の賃金体系による扱いを凍結しました。乗員組合は、昨日3月31日まで、話し合いによる解決を求めてきましたが、会社は既に協議は尽くしたとして、この4月1日をもって再び強行に踏み切りました。このような「一方的な労働条件変更」を許せば、組合の存在自体を脅かすと受け止めています
    2.不規則、深夜、時差などにさらされる我々の労働条件については、次のように考えます。

    これまでの労使合意による労働条件を破壊するならば、法の要件にしたがって、その定めをすべきと考えます。
    乗員組合は、いわゆる「65時間保障制度」にこだわらない合法的な賃金勤務一体型の対案を出しています。会社はこの対案について乖離が大きいとして拒否し、労基法違反の体系を再び押しつけてきました。労使合意の協定を破棄し、法律も守らないというのでは労働条件は限りなく切り下げられます。乗員組合は、会社が違法性のない提案を元に労使で協議を進めるべきと要求しています。

    3.本件賃金問題について、経営者は三年間70数回の団体交渉をやったと述べていますが、その内容は賃金が上がるか下がるかの具体的な資料すら提示せず、またこの変更でいくらのコストを下げたいという数字も示すことを拒否してきました。このような経営者の団交での不誠実な対応の結果、実質的な協議はほとんど進行していなかったというのが実態です。
    4.そもそも賃金勤務体系については、その変更の必要性を会社側から提案してきました。競争激化の中で必要というのが理由ですが、今の経営を危うくしているのは証券業界などで明らかになった、ずさんな経営手法であり、従業員の労働条件が原因ではありません。全日空ファイナンス、全日空ビル、ホテル業などの関連会社への不明瞭な支出など、本業とは関係の無い部分の改革が求められています。また採算を度外視した、急激な事業拡大が大きな収支悪化を招いています。

     これら経営者が一方的に引き起こしている問題について、働くものが労働条件の切り下げで応じることは本質的な問題解決ではなく、現在の状況を何ら改善しないと考えます。

    本日までのところ、会社は3日、5日の団体交渉を拒否しております。

     私たちは4月6日の前日ギリギリまで話し合いによる解決に努力していく所存です。

    以上



    ◆乗員組合に関する情報

    代表者:組合長 石飛 明夫

    組合員数:98年4月1現在、1528名。機長、副操縦士、航空機関士等で組織する乗員組合です。

    地上職、客室乗務員は全日空労働組合(約8000名)に組織されています。

    ◆連絡先:

     担当:書記長/教宣部長となっております。フライトをしながらの組合活動となっておりますので、常に対応することは困難な状況です。伝言を頂ければフォローをしたいと考えております。悪しからずご了承下さい。 



    全日本空輸乗員組合 中央執行委員会

    All Nippon Airways Crew Association

  • 1998.03.12
    43期「再建プラン」見解プレスリリース98/03
    1998年3月12日 全日空乗員組合

     全日空は3月5日「経営再建プラン」を発表しました。この決定について、全日空乗員組合は以下の見解を持ちましたので、お知らせします。なお賃金体系問題については3月末に向けて精力的に交渉を継続する方針です。


    「経営再建プラン」に対する乗員組合見解


    ■基本方針について

    • 中期事業計画(SPEED21)が破綻しているにもかかわらず、これを根本的に変更しない上での「再建プラン」は、とうてい理解されるものではない。

    • 過大な投資を続ける一方で決算対策をしてでも配当を続けてきた経営方針の転換であり、今回の「無配」は内外に与える影響を意図して選択した経営方針である。

    • 計画以上の生産性向上という、もっとも貢献してきた現場にしわ寄せをする本末転倒の方針である。
    ■復配計画について
    • 3円配当の原資は43億円である。(約14億株)

    ■経営改善のための方策について

     会社の「再建」プランは「責任スリ替え」プランである。

    (1)航空産業:「収益重視の路線構成」、「本業利益率の向上」

    • 無配を大義名分に、生活路線を含めた不採算路線切り捨てなど、公共輸送事業の使命を放棄するものである。


    • 規制緩和の結果として航空連など航空労働者が予想した通りの結果となっている。


    • 一方で最近まで進められてきた収益性のない路線展開への責任を取っていない。


    • 収支悪化は、もともと販売能力を上回る路線拡大が原因であり、これを労働条件をターゲットにした固定費削減にスリ替えている。


    • 営業利益5億円での「無配」にも関わらず、37億円の税金を支払うとしている。(ANAファインスへの25億円を含む関連事業支援策等は課税対象とされる)
    (2)財務体質
    • 過大な借金、過大な投資の失敗の経営責任に全く触れていない。

    • もともと5年間で53機1兆円の過大な投資計画であり、「3年間20%投資先送り」以外、何ら具体的対策が明示されていない。

    • 「グループ各社の財務体質の改善」は、連結決算となる2000年には当然求められる事になっているが、具体策は何も決まっていない。
    (3)人事処遇
    • 本業で5億円の利益にとどまるという危機的な状況としながら、役員報酬10%カットと役員賞与返上継続は、とってつけたような言い訳としか思えない。これ以外の役員数削減等は、これから考えるとしており具体的な方策は何も決まっていない。

    • 社員には「ベースアップゼロ、一時金圧縮、退職金見直し、福利厚生切り下げ」等、早々と具体化している。

    • 人心を荒廃させた経営者に「公正な評価、メリハリのある処遇」など出来るはずもなく、モラル維持と言いながら差別が横行する制度を強行しようとしている。

    • 会社役員の責任に全く言及しようとせず、計画以上の生産性向上に貢献してきた社員の労働条件を切り下げるという「再建プラン」は断じて認められない。

    • 自然減600名を含んだ「社員数1000人削減」は、結果として現有社員数維持としており、外向けの言い訳となっている。

    • 会社に協力してきた管理職の最期の御奉公が「退職」(早期退職、選択定年制、転身制度)という事がはっきりした。

    (4)組織構造

    • 今更という感をぬぐえないが、「本社・本部の重層構造をスリム化」は、非効率をようやく認めたと言える。しかし、具体化については未だ不明である。

    • 「フロント(現場)部門強化」は必要であるが、これまで専門性を軽視してきたツケが回ってきたと判断できる。

    • 現在、旅客のフロントには多くのパイロット訓練生が配置される等、スペシャリスト育成が軽視されてきた問題がある。
    (5)関連事業
    • 「海外ホテル事業の縮小」は遅すぎた判断であり、経営責任を取らないまま問題を先送りする危険性を含んでいる。

    • ホテル部門への投資が約900億円であることは分かったが、累積損失等を曖昧なまま済まそうとする経営陣の無責任体質は改まっていない。

    • P1521の経営方針では、「航空に関係のない事業からは撤退するがホテルは継続する」としていたが、組合が懸念していた通り傷口を広げる結果を招いた。

    • 収支が好調な時期、株主・利用者・社員へ利益を還元すべきであったが、「将来に備える」と称して、バクチ的な投資を行った結果、現在の本業の財政をも圧迫する事態になっている。

    • 本業を支える関連企業への委託費切り下げは安全品質すら低下させるものとなる。

    ★全体の評価★
    • 競争が激しくなる今こそ、本来業務である安全・品質の向上策が必要であるが、これらが全く入っていない。

    • ここに至った原因に対する対策になっておらず、「再建プラン」とは認められない。

    • 「無配」を理由として、労働条件切り下げ等を正当化しようというものである。

    • 人件費切り下げ以外は具体策がない。さらに増収計画も具体化されていない。

    • 真の経営再建プランは経営者が「これまでの失敗」の責任をとる事から始めるべきである。経営者自ら経営危機とする状況にもかかわらず、経営者の反省も責任も示されていない。


    中執見解〉                        
    • 人心を荒廃させた経営陣、経営責任も取れない経営陣にはついて行けない。

    • ここ10年で全日空の収入が73%増となっている通り、真の再建策は航空輸送事業に専念する事である。

    • 労働条件の切り下げは認められない。


    注)なお、経営責任の追及に関する春闘要求についての内容は、1998年2月24日プレスリリース発表通りです。

    ◆乗員組合に関する情報

    代表者:組合長 石飛 明夫

    組合員数:98年2月20現在、1524名。機長、副操縦士、航空機関士等で組織する乗員組合です。地上職、客室乗務員は全日空労働組合(約8000名)に組織されています。

    ◆連絡先:

     担当:書記長/教宣部長となっております。フライトをしながらの組合活動となっておりますので、常に対応することは困難な状況です。

    伝言を頂ければフォローをしたいと考えております。悪しからず、ご了承下さい。

    以上


    全日本空輸乗員組合 中央執行委員会

    All Nippon Airways Crew Association